「咲‐Saki-」 第16話『結託』
第16話「結託」
「出来た さっきは槍槓(ちゃんかん※1)されたけど、暗カン
(※2)なら大丈夫だよね?」
ゆみの捨て牌を見て、躊躇する咲。
「あ~、暗カンでも槍槓、出来る役があったよ・・・。
国士無双(※3)、もし出来てたら、48000点・・・。
でも、お姉ちゃんじゃあるまいし・・・大丈夫だよね?」
そう、心では思うも、筒子④を捨て、様子見の咲。
怯える咲を見て、久は思う。
「その幻想を植え付ける事まで、考えての和了だとしたら・・・
鶴賀の大将、やるわね」
「やっぱり、国士・・・わたしだって、ちゃんと捨て牌ぐらい
見てるんだから。」
流局し、国士無双で聴牌している、ゆみに安堵する咲。
「無聊(ぶりょう)をかこつ。
清澄の大将は、やっかいだと聞いてウキウキしてたけど・・・
乏しいな。
けつぼうしたよ。
そろそろ御扉開きといこうか。」
「この感じ・・・やっぱり、この子だったんだっ
おトイレ、行っとけば良かったよぉ・・・。」
衣のオーラに恐怖する咲。
東1局3本場
一向聴(いーしゃんてん※4)から、手が全然、進まない、
池田華菜と加治木ゆみ。
このツモどうかしてる!?
衣が相手だと聴牌率が低くなり、しかも、満月だと、聴牌率が
更に低くなるという透華。
今日は、満月・・・大将に衣をしたのは夏至とはいえ、大将戦の
後半には月が見える、それを考えての事だった。
「まったく、聴牌出来ない・・・どう言う事なんだ?
まるで・・・まるで海の底に引きずり込まれるかのような・・・。」
ゆみの思いが通じたか、咲の筒子⑥にチーして聴牌する。
「リーチ」
ラスト1順で、ついに動き出す衣。
衣が牌を取る姿を見て、決まったという透華たち。
「その役の名前の意味は・・・海に映る月を、すくい取る」
海底撈月!!(はいていらおゆえ※5)
「ハイテイだと どう言う事だ・・・?ダマでも十分の手で
残り1順でツモ切りリーチ・・・それでは、まるで、ハイテイで
必ず和了る事を確信しているようでは、ないか」
驚く、ゆみ・・・衣の牌譜は高い手を直撃するタイプであり、
嫌な予感を感じ取る。
東4局
「なんだこれ~。配牌から鳴いて仕掛ける気、満々なのに
1つも鳴けない・・・進まない」
このまま、行けば海底牌をツモするのは衣に、あせる華菜は
点差も考え、カンをして勝負を仕掛け場の流れを変える。
「いらないのしか来ないよ~」
咲は北をツモ切りする。
北をポンをし、再び海底コースに戻す衣。
華菜が、衣の海底牌を恐れている気配を感じ取った、ゆみ。
「ならば・・・これなら鳴けるか?」と筒子⑥を捨てる
「おしいっ」鳴けなかった華菜。
ツモっ! 海底撈月!!
2連続ハイテイを決め、清澄を抜いてトップに立つ龍門渕。
「ここまで、嶺上、嶺上、槍槓、海底、海底だじょ。」
呆れる、優希、そして久は思う。
「嶺上の花が咲き、海底の月が輝く・・・か・・・。
まるで、花天月地ね・・・。」
南1局 親 天江衣
ゆみは思う、デジタル一辺倒の打ち手と違い、華奈は、衣の
海底が偶然では無い事を感じ取っている・・・と。
そして、自分の聴牌確保の為、衣に海底牌を回してしまった
ミスを犯してしまったと思う。
「ひどい点数だなぁ・・・海底阻止とか、そんな事よりも、まず
自分が逆転出来る手を仕上げる事じゃないか・・・?
て、去年も思ったっけ・・・」
と落ち込む、華菜はチーをする。
「なんだ 鳴けるじゃないか
」
衣に海底を積もらせないように、鳴けばいいと元気を出す。
調子の出てきた、華菜は衣の⑦萬をポンをする。
不気味な笑みを浮かべる衣。
②萬を捨てた、凡ミスに自分自身も不思議がる華菜。
ポンをし、捨て牌の順番を変え、海底コースに持ち込む衣。
咲がカンをし、海底コースから外れるがチーをし再び海底
コースに持ちこむ衣。
「それでこそ、天江衣だ。」藤田プロは言う。
「せめて、鳴ける所を捨てて欲しいものだな。 同じ点数なら
トップの天江にツモられるより、ラスの風越に振り込むほうが
ましでは? だが、どちらの点数も確定出来ない上に、そもそも
萬子がない・・・」
ゆみは、衣と華菜を天秤にかけ思う。
3局連続で、衣以外、流局寸前まで、聴牌出来ない状況に異変を
感じる藤田プロ。
「差し込んで・・・誰か差し込んでよ~」
最後の1順で筒子③のツモに捨て牌が裏目に出た咲。
「ラスヅモ・・・きゅーそー(索子⑨)を切れば聴牌・・・。
だが、それでは、天江が海底か・・・?」
咲の捨て牌を見る、ゆみ、そして
「ここかっ」
筒子⑤を捨てロンをする、咲。
「この人、わたしの気持ちを呼んで、差し込んでくれたんだ
すごいっ」
「衣の親が流された・・・衣は子供より、親の方が好きなのに。」
呉越同舟・・・宮永咲、加治木ゆみ、池田華菜。
この3人の結託により、天江衣に対抗する。
そして、衣の怒りのボルテージは上がる。
「あの局面で、差し込みとは鶴賀の部長、なかなかやるなぁ。」
「鶴賀の部長は加治木では無く、蒲原です。」
「えっ 蒲原が
まじで
」
蒲原が部長と知って、驚く藤田プロ・・・
南2局
「この配牌・・・もし天江の支配と呼べるものが真に存在する
のなら、自然に進めば、また一向聴の袋小路か・・・。
ならば、いっそ戯れてみよう。
その運命とやらと」
セオリーを無視した捨て牌をする、ゆみ。
「やつの支配は完全じゃない」
リーチを賭ける、ゆみ。
「すごい、普通に聴牌出来る事もあるんだ?」と咲。
ゆみに捨て牌を見て、西が危険と察知する華菜だが、
西を捨て、勝負をする、しかしっ
「ロン。 リーチ一発チートイ(※6)ウラウラ(※7)12000。」
「一発・・・掴まされてた・・・」悔やむ、華菜。
「悪いな・・・本来なら、天江から取りたい点棒なのだが、こちらも
見逃すほどの余裕は無いのだよ・・・。」
南3局 親 加治木ゆみ
親になった加治木ゆみは、衣の気配に圧倒される。
隣には、気持ち悪くなる咲。
「なんだ? 今の圧迫感は?」
「これ・・・ちっちゃい頃のお姉ちゃんより、ひどい・・・
勝てるわけ、ないよ~」
「まさか、これからなのか
津波の前に潮が引く事があるように、あの局は、天江が引いて
いただけとでも言うのか・・・?」
開始早々、連続ポンをする衣を見て、ゆみは思う。
「こじみの音が聞こえるか?」
衣の言葉に、索子①を捨てた華菜は怯える。
「ロン 12000
」
海底だけではない、衣に驚く、咲とゆみ。
2連続で跳満を振り込んだ華菜。
「なんだこれ・・・滅茶苦茶じゃないかぁ。」
酷い事が起きても、楽しんでと言っていた、キャプテンである
福路美穂子の言葉を思い出す。
「無理、無理ですよ、キャプテン・・・さすがに、こんな状況
楽しめない・・・」
自分のせいで全国に行けない・・・そう考える華菜。
南4局(オーラス) 親 池田華菜
「ダブ南(※8)」
南をポンする衣。
「ツモ 3000、6000
」
天江衣の圧倒的な強さで、前半が終わる。
「この子、強すぎるよ・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
海底ツモで必ず和了るし、配牌すらも、支配するなんて、
もう無茶苦茶w
咲の嶺上開花もそうですが、イカサマゲームのCUPを相手に
戦っている、一般人の、加治木ゆみと、池田華菜に同情ですw
そんな相手に、善戦する、加治木ゆみの、戦略の奥深さに
大将戦前半戦のMVPといっていいでしょう。
15話の感想でも述べましたが、オカルト無しの麻雀としての
能力、上手さは、改めて、今大会ナンバーワンと感じました。
その能力は、奥深く、デジタル打ちの代表である原村和でも
敵わないでしょう。
和了牌を察知し「ここかっ」と咲に、差し込む所が、派手な
エフェクトは無いですが、今回のベストシーンに決定です
咲は一般人やある程度のオカルトには、強さを発揮しても
咲本人も「ちゃんと捨て牌みてるよ。」と言ってるように、逆から
考えれば、普段は衣と同じように引きの強さだけに頼ってると
暴露してるようなものですからねw
まあ、あくまで前半戦だけでは・・・ですけど。
17話の予告を見ると、和から、ラブラブパワーを注入され、
オーラのようなのが見えたので、次回からの逆襲に期待です。
しかし、当初の必ず±0で終わる事が出来た頃の技術力は
いったい、何処へ行ったのでしょう
この技術があれば、加治木ゆみ、1人が大局を見て、衣に
苦戦しながらも、全体をサポートしつつ、善戦してますが、
2人のコンビネーション打ちで戦局を打開出来ると思うの
ですけどね。
それにしても、藤田プロ・・・解説なんだから、いくら衣が
かわいく好きだって、公の場で応援しちゃダメでしょ
※1 ポンの状態からカンをして、その牌が和了牌である事。
※2 自分の手持ちの状態で同じ牌が4枚ある事。
ちなみに明カンは、ポンをしている状態から牌を加えて
カンにする場合(咲はこれで、ゆみに、槍槓を食らった
訳ですね。)と、手持ちに3枚あり、他人がその牌を捨てた時に
カンと鳴く場合の2種類あります。
※3 こくしむそう、聞いたことある名前だと思います。
3種類の数字の牌の①と⑨と、全ての字牌を全て1枚集める
役で、頭はそれの、どれかになりますので、頭がない場合、
究極の13面待ちになりますw
ちなみに、自分の捨て牌が鳴かれずに、この牌、全てを
捨てて流局した場合、流し満貫と役満あつかいになります。
※4 あと1手で聴牌の状態の事。
※5 一番最後の牌をハイテイ牌(海底にあるという例え)と言い
それで、ツモ和了る役。
ちなみに、相手のハイテイ牌をロンした場合は河底撈月
(ほーていらおゆえ)と言いますが、一般的には区別して
ないです。
※6 七対七と書いて、ちーといつと呼びます。
同じ牌を各2枚、7組そろえる役で漢字の通りですね。
※7 裏ドラが2枚ある事。
※8 南場の南家が南を3枚集めると、役がダブるので、こう
言います。
東場の東家が東を集めると同様にダブ東と言いますね。
う~ん、さすがに最初から最後まで麻雀をやってると、
それなりに麻雀用語が出てきますね。
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