「咲‐Saki‐」 第14話『存在』
第14話「存在」
副将戦の前半戦のオーラスが始まった。
「原村和が、ついてただけですわ。 ふざけるのも、たいがいに
しくされですわーっ」
和のパーフェクト達成寸前、透華の怒りが爆発する。
11順目、聴牌する透華だが、リーチせずにダマテンにする。
透華の捨牌から、テンパイ臭を感じ、現物を捨てる和。
「リーチですわっ」
そんな和を見てか、リーチする透華。
「やみで、ぴんぴんろく(11600点)あったら、デジタルはリーチ
しねぇんじゃ・・・」と井上純。
国広一もそんな透華を見て疑問に思う。
「ヤミテンでわたくしが和了ってパーフェクトを阻止したら、
観客は大ブーイングでしょう。
分かってくださるのは、一部の玄人だけ・・・それならば」
「まさか・・・」
「リーチをかけて、なお且つ和了る。
原村より目立って差し上げますわっ」
「目立つ為だけに、デジタルを捨てた・・・」呆れる一。
「ツモ 8000オールいただきますわっ
」
パーフェクトを阻止し、トップになった透華。
「ロン」
透華の索子の⑤で和了る鶴賀学園の東横桃子。
「メンタン(※1)、にんろく(2600点)は、にっく(2900点)っす。」
「メンタン リーチ、リーチですって? いつの間にっ
」
リーチを見逃していた透華。
「あそこで一体・・・一体何が起こっているんだ」
驚く、一たち、龍門渕の面々。
「桃。いるかっ」と前半戦が終了し、誰も居ない通路で
話す鶴賀学園の加治木ゆみ。
「ここっす。」と、ゆみの隣に突然、現れた桃子。
「さすがに決勝は手ごわいっすねぇ。消えるのに時間が
掛かりました。」
「いけそうか?」
「はい・・・先輩、私が見えるっすか?」
「あぁ、見える。」顔を赤らめ、ゆみは言う。
「でも、でも、卓のメンバーには、もう見えない。
私のリーチはダマと同じ・・・私は誰にも振り込まない。
リーチに当り牌を打っても、相手がフリテン(※2)になるだけ。
私は存在しない・・・。」桃子はそう言いながら消え、再び
ゆみの背後に現れる。
「見ていてください、先輩。
ここからはステルスモモの独壇場っすよ。」
「たった、1人だけでいい・・・私を見てくれる人が、たった
1人だけ居てくれれば・・・」
桃子は、ゆみとの出会いを思い出す。
子供の頃から存在感が無く目立たなかった桃子。
コミュニケーションをする為、皆は、色々と行動するが桃子は
それを、子供の頃から避け続けた・・・その結果、存在感の
無さに拍車が、かかっていった。
「麻雀部、3年の加治木ゆみだっ。」
私は君が欲しいっ!!
「たった・・・1人・・・だけでいい」
『君が欲しい』その言葉に顔を赤くしながら涙を流す桃子。
「面白い人っすね。 こんな・・・こんな、私で良ければ。」
「やっと・・・やっと、君を見つけた」
『ゆみちん、A組み乱入事件』として語られる事件・・・それが
加治木ゆみと、東横桃子の出会いであった。
「とんでもない、目立ちたがり屋さんとか、存在感のある
パーツを持つ人がいるように・・・その逆もいるんすよね。
私は存在感、ゼロどころでは無い。いわばマイナスの気配。
そのマイナスは自分の捨て牌まで、巻き込むっすよ。」
後半が始まり、早々、リーチをする桃子。
それを追いかけるように、リーチする透華。
「いいんすか?それ・・・ドラっすよ。 ロン、リーチ一発ドラ1
ごんにー(5200点)っす。」
再び、桃子に振り込み、動揺する透華。
「もしかすると、あっち側では、ここで見てるのと違った事が
起きてるのかも・・・。」
久は、透華の不用意な、捨て牌を見てこう言う。
「カメラを通してなら、私も色んな人に見てもらえる・・・
この試合も、凄く多くの人が見ているんだろうなぁ。
でも、私を見てくれるのは1人でいい。」
子供の頃から誰も見つけてくれなかった・・・。
そして、それに慣れコミュニケーションを放棄していた桃子を
見つけ、求めてくれた、加治木ゆみ。
そんな、先輩の為に頑張りたい・・・と桃子は思う。
「コミュニケーションの為の努力も悪くない。
その時間が、楽しいこともある・・・その楽しさを教えて
くれたのは、先輩 あなたなんすからねっ
私はもう、人が見てくれない事を恐れることはないっす。
だって、私には・・・先輩。
私、がんばるっすよ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
和より、目立ちたい透華は、序盤は主役で目立ちまくり
でしたが、中盤から後半は、主役をモモに奪われ、しかも、
やられ役にまで、なってしまい、気が付けばステルスモモと
言いながら、一番目立っていたのは東横桃子で、違う意味で
ステルスモモの独壇場でしたw
モモが透華の事を『目立ちたがり屋さん』と評するように
モモの対極のような存在である透華には、普通の人以上に
姿や声が見えなかったり、聞こえないのかもしれません。
冷静に考えて、姿が消えるのは100歩譲ったとしても、自分の
捨て牌まで、消えてしまうと言う事なら、リーチが気が付かない
どころか、普通に牌を捨ても気が付かない訳で、場がモモで
止まって進まないと思うのですけどね
そして、ここにも百合~なカップルが1組いました
この調子でいけば、咲の終了の頃までに、何組の百合~な
人たちが出てくるのか楽しみです
今回も、目だった出番の無い、主役のはずの咲。
真のステルスだったのは、咲だったのかもしれません
その分、次回『魔物』では、ついに大将戦が開始される
みたいですので、活躍の出番がありそうですね。
※1 メンはリーチの事で、タンはタンヤオ(②~⑧の数字
のみで作る役)の略で、ちなみにメンタンピンと言うと
リーチしてタンヤオとピンフの役の事です。
透華が驚いたのも、タンヤオだけならともかくとして
リーチしていた事に驚いた訳です。
※2 リーチ後に、他の人が捨てた和了牌を見逃してしまった
場合、その牌は、ツモでしか和了れなくなります。
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